真夏の残骸
落ち込みかけるわたしとは正反対に、田中くんのテンションはまだまだ高い。
「しんどー!たのしいなあー!!」
「そうだね、楽しかったよ」
「でももっとしんどーとはなしたかったぞ!!」
「え?結構話したと思うけどな」
「たりねーよー!おまえはくーるだなー」
「あはは、クール?そんなことないけどね」
さらに酔いが回ってきたのかふらふらしている田中くんの腕を逆に掴み、支えながら歩く。
そういえば小学生のとき、通学班が同じだったっけ。
すぐに寄り道したがる田中くんの服を引っ張って学校に連れて行ったことを思い出して笑った。
ああ、なんだ、全然変わっていない。