年下
私は年下よりも、リア恋よりも、Jアイドルヲタクだった。
魂(コンサート)に行ったりショップに行ったり握手会に行ったり雑誌買ったりしてた。
もう、半年ぐらいは恋はしてなかった。
その間ずっとアイドル。

そんな私には破天荒な親友がいる。その子はななこ。
ななこはあんま学校来てないけど、中学なってから一緒にいて楽しい奴だった。
ななこが学校に気が向いたから来た日。
その日は同学年の子の弟に用があると行ってやって来たらしい・・・

「りなぁーーー」

窓から叫ぶやつ。私はあいつしかいないと思った。

「なにぃーー??」

「3階にダッシュ!!」

「えぇ・・-」

いやがりながらも走り出した私。
3階に行くとななこはいなかった。
2階に戻るとななこがいた。

「3階行ったのにー」

「よし!三階いこ!」

3階は中2の教室がある階で、クラスの前を他学年が通っちゃいけない校則。
それを軽々しく悪気もないように破るななこ。
絶対破らない私。中央階段は2年だけの場所じゃないからおこらえない。
そんなとき、知り合いの子が中央階段で溜まってた。
しんと涼介は知ってる子その他2人。
ななこは同級生の弟涼也のクラス知ってるのか?と思って叫んだ。

「ななこぉー涼也のクラス知ってるん?」

廊下にいた人たちから大注目を浴びた。
恥ずかしいと思ってたら、涼介が話しかけてきた。

「なぁ、涼也1組やで」

初めて涼介から話しかけられた。不意にドキッとしたけど勘違いだと思い込んだ。

「そうなんやー・・・・」

涼介から喋ってくれたのに、すぐ終わらせてしまった。

前から走ってきたななこの後ろに嫌いな教師がいた。

私はとっさに逃げた。

今思えばあの時が一番喋れるきっかけだったのかもしれない。
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