年下
何も意識することもなく5月の中旬に入った。

なんにもおきないつまらない日々。

月から金まで授業、おしゃべり、授業、おしゃべり、週に2日塾の繰り返し

涼介の事なんて気にとめてもいなかった。

でも、たまに見ると必ず手を振るか、バイバイって声をかけてしまう。

それが始まりだったのかは今でもわからない。

手を振るのは涼介が1人で歩いてた時や、私達が帰るときに見かける野球部のフェンス越しで、涼介がしんたちといるときは絶対に喋りかけなかった。

涼介からはあまり声をかけてくれない。ときどきヘコんだりしてた、

ある日の帰り道にフェンス越しに涼介がいた。

涼介はこっちに気がついて見てたけど、私は恥ずかしくて声もかけられなかった。

いままでそんなコトなかったのに...涼介の事好きなんカナ?

そう思ってから、

会うたびキュンってしたりキューっと胸を締め付けられたリ曖昧な感情にモヤモヤしてた。

いつ麺の風花、朋花、涼香に言ってみた。

3人とも涼介の事は知ってた。朋花は小学生の頃ちょくられたりして「あいつ嫌な奴やん」と言うけど、私は全然思わなかった。

涼香の弟たちが同じ学年で、1人は同じクラス1人は同じ部活だった。

涼介は私にとって優しいけどちょっと意地悪って思ってた。

私の理想のタイプと全然違うタイプの子。

私の理想は同学年か年上で私より少し背が高くてカッコいい系。

でも、涼介は学年が年下で私より小さくてかわカッコいい系のガキ。

いつ麺も驚きだった。

それから私は、涼介にベタ惚れ状態。

朝早くに学校に着く私達は2階の中央階段でキミに見える視野内に入る。

初めて気付いたのはたまたま窓で朋花と喋っている時。

ななめ上の図書室近くの窓にしん、涼介、大浦が3人で喋ってた。

次の日も、また次の日も必ずそこにいて喋ってる。

だから、中央階段にいれば存在を気付いてくれるかな?って思った。

最近は涼介達が登校する時に通る中央階段で会う時ホントは「おはよう」って言いたいけど、しん達がいるし、恥ずかしいし、返事してくれるか不安で言えない。

でも、目があったりするのは気付いてる。

涼介が見てる時私が気づいてなくて私が見た時涼介が気づいたり気付かなかったり。

幸せのようなチクチクするような気分。

会えたら嬉しくていろんなこと頑張れる。

会えなかったら失敗ばっかしてしまう。

自然とそんなことが多くなった。
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