年下
意識し始めた頃、私はふと思った。

どうやって恋愛すればいいんやろう?

恋愛経験がない私はどうすればいいか、今まで以上の好きの気持ちをどうすればいいかわからないままだった。

そんな時、3年生の体験合宿に行くことになった。

一泊二日の合宿は私にとって敵だった。

学校に入れないのは1日目と2日目の5時ぐらいまで、その間涼介に会えないという悲しみに押しつぶされていた私。

その日が近づくにつれ涼介に少しでも多く会いたくて、話したいっていう欲が出てきた。

合宿前夜。

塾が終わって帰ってきて、部屋で風花に「行きたくない」ってメールを送った。

そしたら、「そんなに梨菜は好きやねんなー」とか「明日から二日間会えへんもんな」とか梨菜の気持ちを分かっていた。風花。

そしたらだんだん会えない寂しさに溢れ出す大粒の涙。

その涙は止まることがなかった。

合宿当日

私は風花に会った瞬間に泣いてしまった。

朋花にひっつきながら学校の近くまでずっと泣いていた。

学校に入ってから、自分のクラスのバスに乗るまで涙目状態だった。

合宿をほんの少し楽しんでも私の頭は涼介でいっぱいだった。

合宿中は何事にも自分のホントの感情での笑顔がなかった。

笑顔のスイッチを消してしまうとまた、涙が溢れそうで離れている2日間でだんだん好きの感情が強くなっていく。

二日目

やっと帰れる。

早く帰りたくて、バスの中では時計をチラチラと確認。

バスが学校に着いて、荷物を持って、風花や朋花達を待った。

帰ってきた喜びに少し涙が流れた。

帰り道。

フェンス越しに涼介を探した。

涼介は手前ぐらいにいて、練習してた。

その時の横顔はすごく凛々しく見えた。

少しその場を立ち止まっていたけど、涼介は気付く事はなかった。

次の日の土曜。

昼過ぎからいつ麺の涼香の家の前で涼介と同じクラスのたっちゃんの集合写真を見せてもらった。

涼介は一番前で坦任の先生の真横にいた。

そんなに背が低いんやーと思ったがすぐ成長するんやろうなぁーと話していた。

涼香が卒業アルバムを持ってきてくれた。そこに写ってるのは涼介達の学年。

ホントにみんな顔が幼くて、私達の学年の時のアルバムを見た。

私達の学年はみんなあんまり変わってなくて、変わったと言えば地味子が中学になって派手っ子になったことぐらい。

< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop