片道恋愛
「…え?」
普段、クラスメイトとしてしか接しない彼が、何故か私の後ろにいて話掛けて来ている。
『ん?
だから、水嶋さんが彼氏作らないのって、外の彼が居るから?』
彼はあたしが話を聞き取れなかったと思ったのか、また同じ内容を淡々と話始めた。
「…え、っと。別に彼とはそう言う関係では無いんだけど…」
何故佐伯くんがここに居るのだろう。
今まで図書室でなんか会った事は無いし、ましてや話もあまりした事がない。
そんな彼に。
何故私はこんな話をしているのだろう。
『え?彼氏じゃないの?』
少し驚いた様に言う彼に、コクリと頷く。
そんな私の頭の上にはクエスチョンマークがいっぱいで。