片道恋愛
そのあと、佐伯くんは
『これからもよろしくね、水嶋さん。』
そう言い残して図書室を後にした。
図書室の隅の窓際と言う事もあって、
私の存在を気にする人も居なくて、話も聞かれていない様子。
聞かれて困る内容では無いのだけれど。
それにしても。今のは一体何だったんだろう。
また考え込んでいた私は、時間が過ぎて居るのにも気付かず。
気が付けば隣には、先程外でマフラーをぐるぐる巻きにしてはしゃいで居た2年生が。