片道恋愛
二人で笑い合っていると、同じクラスの子達から声が掛かった。
「「波流~!みやちゃーん!
一緒に写真撮ろうよー!」」
『あ、雅、呼ばれてるよ行こう!』
「うん。」
呼ばれた方向に向かう途中、何やら人だかりが出来ており横目に見れば、人だかりの中心には佐伯 雄大が居た。
佐伯くんの卒業を惜しむ同級生や後輩に囲まれている様子。
凄いな。そんな事を思っていれば
『佐伯、凄いね~。みんなここぞとばかりに狙ってるんだよ、彼女の座。』
波流もその方向に目をやり、呟いた。
「でも、あれじゃ誰が誰だか分かんないね。」
私も少し可笑しそうに応えながら、写真を撮るため友達の元へと向かう。