片道恋愛
友達と写真を撮り、高校最後の会話をしていれば
『雅ちゃーん!』
後ろから聞き覚えのある声。
振り返れば、今日も犬の様に目を輝かせた瞬の姿。
『雅ちゃん、卒業おめでとー!!』
瞬がそう言いながら近寄ってくれば
『ちょっと、瞬くん、あたしには?』
すかさず波流の突っ込みが入る。
『あ、もちろん波流さんもですよ!おめでとうございます!』
ニコニコと波流にも声を掛ける瞬。
「瞬、ありがと。
あれ、今日家来るんだっけ?」
瞬は私の1つ下の妹、芽依の彼氏。
『行きますよー!お母さんにも呼ばれちゃったんで』
瞬はこうやって月に2回程我が家に遊びに来る。
我が家に来る日は、私は瞬が帰る時間になるまで図書室などで待ちながら、一緒に家まで帰る。