片道恋愛
3年間過ごした学舎を後にした私と波流は、いつもより少しだけゆっくりと駅までの道を歩く。
『幾ら大学も一緒って言ってもさ、やっぱり寂しい気もするよね。』
波流がそんな事言う。
「やっぱり気持ちが少し違うよね。
でも、波流が同じ大学で良かった。」
昔から友達を作るのが苦手で、交友関係は狭く浅くの私。
そんな友達の中でも波流は特別で。
波流の前では泣けるし、ケンカだって出来る。どんなに深い話も出来る気がする。
そんな気持ちを波流に伝えれば
『う~…ヤダ、もう。雅大好き。』
何て、泣き始めてしまった。
あたしだって波流が大好きだよ。
そんな波流を宥めながら、
大学入学までに私服を買い足しに買い物に行こうとか、卒業旅行行きたかったね、なんて話をしながら駅まで向かった。