片道恋愛


駅に着くと波流の彼、琉くんが改札口の壁に背を預けて立って居るのを見付けた。


『あれー?琉?』

約束をしていた訳では無いらしく、波流も琉を見て驚いている。




そんなこちらの様子に気付いた琉くんが、私達二人に手を上げて合図をする。



『琉、どうしたの?今日卒業式終わってそのまま皆と打ち上げじゃ無かった?』


琉くんは私達が通う高校とは反対側の高校に通っていたから、駅が一緒なのは当たり前なんだけれど、こうやって駅で会うのは珍しい。




琉くんが、雅ちゃんこんにちわ。と言いながら近寄ってくれば




『打ち上げの時間変更になってさ。夕方からになったから、一度帰って着替えようと思って。で、制服最後なわけだし折角だから波流と最後に制服姿で帰るのも悪くないかなって思って待ってた。』






幼馴染みの波流と琉くんは、家が2軒しか離れていない為、わざわざ駅で待ち合わせなんてせずに、そのままどちらかの家に直行する事が多いらしい。



ホントに仲良いな。



そんな微笑ましい二人を見ていると、
私も先に駅で待っていてくれた瞬を発見した。


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