片道恋愛



「水嶋さん。今帰り?」


振り返ればそこには佐伯くんと、いつも彼の隣に居る関くん。



「あ、うん。」


またまた突然の事で短く返事をすれば、



「あれ、彼って何時だか図書室から見てた2年だよね。仲良いんだね」



1ヶ月前に図書室から瞬を見ていたのを覚えていたらしい彼は、少し不機嫌そうに話す。


「うん。」



何て返して良いか分からず、ただそう返せばニヤニヤした関くんが聞いてきた。




『え、なになに?水嶋さん彼氏作んないと思ったら2年に彼氏居たからなのか~!』




なんて、誤解めいた事を言い出した関くん。








確かに端から見たら恋人同士に見えるのかな。



いや、それは困る。


瞬は可愛い妹の彼氏なわけで。




そんな妹の彼氏の瞬は、私にとっては可愛い弟みたいなもので。





今まで私と瞬の関係を突っ込まれた事が無かったから放っておいたけど、まだ高校生活が1年残ってるモテ男の瞬に間違った噂が流れたんでは、彼女の芽依が可哀想だから、ここはハッキリと否定しようと言葉を発する。




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