片道恋愛

瞬<お姉ちゃん




「ただいまー。」

『ただいま~!お邪魔しまーす!』

二人で家の中に入ると二階からパタパタと降りてくる人。



『あ!二人共おかえりー!』

満面の笑顔で近寄ってくるのは、私の妹で瞬の恋人の芽依。




芽依は階段を掛け下りるなり、真っ先に私の元へ来て

『お姉ちゃん、高校卒業おめでとー!!』


激励の言葉と共に抱き着いて来た。



芽依は自他共に認めるシスコン。



自分よりも先に私に抱き着いて来たのが面白くない瞬は少しいじけている。




そんな瞬に気付いているのか無視しているのか。


『今日卒業祝いと、まだしてなかった大学合格のお祝いでしょ?あたしね、学校近くの美味しいケーキ屋さんでケーキ買ってきたの!お姉ちゃんの好きなイチゴのタルト♪』


芽依は一気にそう告げる。




「ホントにー?ありがと芽依~。楽しみにしてるね。」




目を輝かせながらニコニコする芽依が可愛くて、私も顔を緩ませながら応える。







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