片道恋愛
相原君。
確かにそう言ってたかもしれない。
「みたいだね。でもちゃんと断ったよ。」
『うん、知ってる。雅がOKするはずないもんね。』
私、水嶋 雅(みずしま みやび) はどうやら恋愛には向かないらしい。
『ま、幾ら相原君って言ってもね。雅が相手じゃ無理よね。』
波流がお弁当の玉子焼きを食べながら言う。
「人を変人みたいに~…」
私もお弁当のプチトマトをつまみながら反抗するけれど。
『だってさ。雅、幾ら告られても付き合わないじゃん。一部では男嫌いじゃないかって言われてるよ。』
「男嫌いって…。別に嫌いじゃ無いし、告白を無下にしたりもしないのに。彼氏居た事もあるのに」
『あー。中2から高1の夏まで付き合ってた~…大くんだっけ?でもそれから誰とも付き合わないじゃん。』