片道恋愛
「お。雄大。告白終わったのか?」
「ばか、お前。あんま大声で言うんじゃねーよ。」
扉の開いた方向からそんな会話が聞こえる。
「で?どうだったわけ?
今回の、2年のゆりちゃんだろ?可愛いって有名な。」
「あー。2年だったんだ?知らなかった。」
「知らないって…また断ったのかよ。やだねー、モテる奴は!」
どうやら同じクラスの男の子が2年生に告白されたらしい。
その話をクラスの女の子が、皆静かに聞き耳を立てて聞いて居るものだから、私にまで会話の内容が聞こえてくる。
『うわー。雅と同じ奴がもう一人このクラスに居たよ。佐伯 雄大。相変わらずモテてるんだねー』
食べ終えたお弁当を片付けながら、波流がそんな事を言い出した。