冷たい世界の温かい者達
「お前等、1-Dだからな?覚えろよ?」
「うっせぇな。覚えてるよ」
少しキレかけてる衣緒はポケットに手を突っ込んだまま離さない。
………ポケットの中の煙草を。
落ち着かないのか、煙草を吸いたくて堪らないらしいが教師が居る手前、面倒くさくなるのが嫌で我慢しているんだろう。
やっと1-Dと書かれたプレートの元の教室に秋谷が入ろうと手をかけた瞬間後ろの扉が開いた。
それに反射的に目を向けると。
「由薇?」
………地味女だった。