冷たい世界の温かい者達
「……あの地味女何?」
衣緒が愛らしい顔で微笑みながら毒を吐く。
その言葉に反応してキッと衣緒を睨む秋谷。
「由薇は可愛いわ馬鹿野郎‼」
「いやいやいや~、あれアウトでしょ」
タラシの成一さえも苦笑して秋谷をみる。
「はぁぁぁあん?!
お前等目が腐ってんじゃねぇの?!?!」
お前の目が腐ってんじゃねぇのか。
「秋谷まじありえなーい」
「先生つけろばぁろ‼」
チッと1つ舌打ちをして前を向いて歩く速度を上げる秋谷はこめかみに汗を流した。
……そんなに暑いか?今。
誰1人として暑そうな奴は居ないが、秋谷は……
異常人なのだろう。
この際、ほっておく。
少し歩くとようやく〈理事室〉のプレートが見えた。
それに安堵したように影助が息を吐いた。