冷たい世界の温かい者達
「………あ、学校説明な」
理事長代理は慌てた様に資料を出してそれを俺達に見せた。
「まぁ、転校してきたのなら知ってると思うが、この学校は荒れてる!うん。」
………胸を張るな。
呆れながらその説明をどこか適当に聞いていた。
「一応共学だが、女子は学校全体で1人だけだ。」
「………は?」
1人ってことは……
「そう、さっき会った、あいつがこの学校唯一の女子だ。」
「「はぁぁああ?!あんな地味女がぁ?!」」
「……裕人、俺、こいつ等殺しそう」
「やめれ」
はぁ、と溜息を吐いた秋谷は疲れている様だった。
「だから、由薇には手を出すんじゃない。
後々痛い目に合うのはお前等になるから」
「……」
言っている意味が、この時はまだわかっていなかった。