代打、俺!!



「水本ーっ!!

アイシング!!」


この日も練習が終わって空が暗くなってきた頃、ブルペンのほうでピッチャーの笠原が私のことを呼んでるのが聞こえた


アイシングね……


最初はぜんぜんできなかったけど、もう私も完璧になったから!!



「はいはい…

ってか、あんたがこっちきなよ!!」


なんでがわざわざブルペンのほうまで行かなきゃいけないわけ??


ただでさえ忙しいのに仕事増やさないでよ!!


今のところ野球部のマネージャーは私一人


私が一人でうじゃうじゃいる野郎どもの面倒見なきゃいけないのよ!?


……………でも、マネージャーなのかな??あいつ


私一人じゃないのかな??


「俺が笠原のとこ行ってくるよ

おまえこのまえの練習試合のスコアまとめてんだろ??」


私は先週末の練習試合のスコアをまとめていた


ほんとはもっと早くやらなきゃいけないんだろうけど……


「うん……

じゃあお願いしようかな」


私がそう言うとブルペンのほうに走っていった爽


そんな爽の後ろ姿を見て私は少し切ない気持ちになった


あいつはほんとはこんなことしてる場合じゃないんだよ!!


あいつはこんなことしてちゃいけない


マネージャーは私なんだよ!!


私だけなんだよ!!


私の仕事とらないでよ!!


あんたは野球やっててよ……







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