代打、俺!!
夜ご飯を食べ終わってもみんなの自主練は続いた
みんな旅館の中庭や裏を借りてやってるみたいだった
私は中庭のほうの縁側に座ってみんなを眺めていた
「あれー??みんななんか体の軸ぶれてるけど??」
冗談っぽくいったつもりだけどみんないつもと違う
素振りがめちゃくちゃ
「え、マジで!?」
いつもなら刃向かってくるみんながなんかおとなしい
「もしかしてびびってんの??」
でもそれも無理ないかな??
だって明日の相手は去年の大会で準優勝だった高校
もしかしたら明日で終わっちゃうかもしれない
去年のメンバーはほとんどいないけどたぶんふつうに戦ったら厳しい相手かも
「うるせーよ!!」
爽がすごい目で睨んできた
「なにビビってんのよ??
だってしょうがないじゃん(笑)かっけのくじ運だもん
それに相手だって高校生なんだよ??
ビビってたら勝てるもんも勝てないよ??」
でも怖いよね??
負けたら終わりだもん
「え、おれのせい??」
いやいやかっけのせいってわけじゃないけど……
でもくじ運だし仕方ないじゃん
「明日ビビってつまんない試合したらぶっ飛ばすからね??」
私を差し置いて試合してるんだからつまんない試合しないでよ!!
「そんなわけねーだろ??
俺らが大活躍して世間の予想とかひっくり返してやるよ」
そういってニヤリと笑ったのは翔太
「明日は俺がスターになる!!」
みんなちょっと大袈裟だけどそれでいいんだよ