【完】るーむしぇあ。
「じゃあこうしよう。私が無理やり和希くんを連れてきたことにするから」
「でも……」
「ああーもう!これ決定だから。ね?行こう!!」
私はまだ渋り続ける彼の腕を掴んで、病院への道を急いだ。
病院の入り口で、私たちを見つけたりっちゃんは少し驚いた後で微笑んでくれる。
「あら、珍しい。平日に和希くんがくるなんてね」
「綾香ちゃんに届けたいものがあって」
「そう。きっと綾香ちゃん喜ぶわ。でも面会時間があと10分しかないから、用事が終わったらすぐ帰ってね」
りっちゃんは申し訳なさそうに私と和希くんの顔を交互に見る。
「はーい、わかりました!!」
そう言って、私は階段を上り始めた。