【完】るーむしぇあ。
……な、の、に。


「和希くん、いい加減、覚悟決めなよ」


「……」


ここまで来て、彼はまだ約束を破ることに抵抗があるらしい。


「あーもう!!」


「わっ」


私は彼の腕を掴んだまま、階段を一気にかけ上がった。

ちょっと強引だけど、これぐらいしないとこのクールな王子様は動いてくれないから。


トントン

軽快なリズムでノックをすると、中から「はーい」と言う声が聞こえたから、ドアの前でまたちょっと考え込んでいる和希くんの背中を押して、病室に押し込んだ。
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