【完】るーむしぇあ。


私としてはとても気分良く病院を出たはずだったのに、帰り道、和希くんはいつも以上に言葉数が少なかった。


「あのぉ……」


「……なに」


「もしかして、怒っていらっしゃいますか?」


「別に。ただ……なんでそこまでする?」


そこまでっていうのは、綾香ちゃんのためにって意味かな。

なんでって言われても、ううーん。


「何かしてあげたいから」


「それだけ?もし何か見返りを求めてるなら、何もないから」


え……。私そんなつもりじゃ……。


「ちがう!!そんなの求めてない!!」


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