【完】るーむしぇあ。
夕暮れの教室で和希くんから教えてもらった言葉は、こんなにも私の中にちゃんと納まってる。


音楽って不思議。

気持ちのスイッチを簡単に入れてしまう。



あの時の純粋なドキドキ。

私の気持ちは今だって、何も変わっていない。



私は彼の特別じゃないかもしれない。

だけど、彼は私の特別であることに変わりはないから。



そう思うと、胸のザワザワは潮が引くようにどこかへ遠ざかり、レモンドロップのように消えてしまった。

甘酸っぱい余韻だけを残して。
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