【完】るーむしぇあ。
「明日も来てくれる?」
「うん、来るよ」
そう言う私の言葉を聞いて安心したのか、頭を撫でてあげるとすぐに寝息を立て始めた。
「綾香寝ちゃった?」
「うん、そうみたい」
さっき会ったときは元気そうだったから、急な変化に少し戸惑う。
やっぱりここは病院で、綾香ちゃんは患者さんなんだって、忘れそうになる事実を突きつけられた気がして。
「ちょっと前まではいつもこんな調子だったんだ。最近調子がよかっただけなんだ」
私の戸惑いに気付いたのか、和希くんが窓の外を見ながら独り言のように呟いた。
「佐々木のおかげかも」