【完】るーむしぇあ。
9.2つの勝負の夜に(前編)
◇◇◇
「じゃあもう1度、合わせてみましょう」
コンサートマスターの声が響くと、それぞれの楽器をそれぞれのポジションに掲げる。
空の青がより濃さを増し、暑いが口癖になってきた頃、外はもちろん、部活もとても熱くなっていた。
毎年、吹奏楽コンクールは夏真っ只中、うだるような暑さの日に行われる。
今はまだメンバーが発表されておらず、全員での合奏なので、音楽室はやや混みあっている。
私の横には木下美波。
おそらく、私たちが飛ばし合っている火花は誰の目にも見えているだろう。
しかし、彼女の演奏はとても正確で、間違い1つ見当たらない。
……敵ながらあっぱれ。
「じゃあもう1度、合わせてみましょう」
コンサートマスターの声が響くと、それぞれの楽器をそれぞれのポジションに掲げる。
空の青がより濃さを増し、暑いが口癖になってきた頃、外はもちろん、部活もとても熱くなっていた。
毎年、吹奏楽コンクールは夏真っ只中、うだるような暑さの日に行われる。
今はまだメンバーが発表されておらず、全員での合奏なので、音楽室はやや混みあっている。
私の横には木下美波。
おそらく、私たちが飛ばし合っている火花は誰の目にも見えているだろう。
しかし、彼女の演奏はとても正確で、間違い1つ見当たらない。
……敵ながらあっぱれ。