【完】るーむしぇあ。

「じゃあ今日はここまでにします。お疲れ様でした」


部長の声が聞こえたから楽器を丁寧に拭いて、ケースへと戻す。


急いで和希くんの姿を探したけど、今日もやっぱりもういなかった。

一緒に帰ってくれる気はさらさらないみたいだ。



どれだけ好きだと言っても、彼は曖昧な態度はとらない。

期待させるような言葉も言わない。


『もしかして彼も私のこと好きなのかな?』なんてそんな甘いことは起こらない。



彼は私のこと、多分、まったく興味がないんだと思う。
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