【完】るーむしぇあ。

「……早く着替えてくれば」


「……はぁい」


一緒に暮らし始めて知ったこと。

彼はとっても家庭的……っていうか節約の鬼だった。


たしかに私たちはお金がない。


だけど私はテレビのコンセントを引っこ抜いたり、湯船やトイレに水の入ったペットボトルを沈める彼に少々驚いた。


そんなことしそうにはまったく見えない。


物静かな王子様。それが彼のイメージなのに。

だからと言って幻滅したとかそういうことはない。


むしろ、前よりももっと親近感を覚えるようになったくらいだ。
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