【完】るーむしぇあ。

「俺さ、陽ちゃんを利用しようとか思ってたわけじゃないんだ」


「へ?」


「そ、その、き、木下さんのことで」


彼女の名を呼ぶ彼の頬はきっと赤く染まっていることだろう。


「利用されてるとか思ってないよ。……もしかしてそれで謝ってた?」


多分、謝ってたよね?

夢の中のことかどうかギリギリのラインだけど。


「うん……俺、なんか陽ちゃんに悪いことしちゃったような気がしてさ」


「そんなことはいいから、行っておいでよ」


「き、木下さんとこに?」


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