【完】るーむしぇあ。
──とは言ったものの、ちょっと寂しい。

バーベキューも終わって、いざ、肝試しの準備が始まると1人ぼっちでいることが辛くなってきた。


自分の不注意が招いたことだってわかってるし、大ちゃんにえらそうなこと言える立場じゃないってわかってる。

だって今の私は、勇気を出して「肝試し一緒に行ってくれない?」と言える状態じゃないんだから。



騒いでいるみんなの様子を、ぼーっと眺めていると、ふいに涙がこぼれた。



パチッ


「え?!」


突然、宿の電気がすべて消えた。

バルコニーには明かりがなく、建物の廊下から漏れる照明だけが頼りだったから、真っ暗になってしまう。
< 217 / 362 >

この作品をシェア

pagetop