【完】るーむしぇあ。
和希くんは中腰になって、座っている私に視線を合わせてくれる。

その目が私を見つめる。


「……和希くん」


「ん?」


「肝試し、一緒に行ってくれない?」


遠くの方から、キャーと言いながらはしゃぐ声が聞こえる。

風が涙の跡を乾かして、木々を揺らし、私と彼の髪も揺れる。


「いいよ。来年な」


「……!!うんっ!!」


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