【完】るーむしぇあ。
「笠井さん」
これで全部だよという言葉の代わりに、先生はメンバーが書かれた紙を閉じた。
選ばれた人も選ばれなかった人も言葉を探して、あるいは言葉を探すことすらできず、この部屋の空気は鉛のように重い。
「遠山さん、クラリネットパートを呼んで来て下さい。フルートの人たちはこれで解散にします。お疲れ様でした」
部長の言葉にかろうじて「お疲れ様でした」と、小さな声で口々に言ってぞろぞろと部屋を出る。
1人、1人と校舎を出て行く中、私は教室に戻った。
……だめだった。
わかってたんだ、なんてうそ。
ホントはどこか、希望を捨てきれずに小さな期待にすがりついていたんだ。