【完】るーむしぇあ。
私はこの時初めて、選ぶ方にも苦しみがあることを知った。


これだけ生徒1人1人を見てる先生だもん。

メンバーから外すのは辛いことなのかもしれない。


だけど、そう思ってもらってるって知ることができただけで、私の気持ちはかなり軽くなった。


「ありがとうございました!!私、彼女を探してきます」


「……うん、そうしてくれるかな。僕も安心できるから」


ペコリと先生にお辞儀をして、私はまた木下美波を探し始めた。



さっきの下唇を噛んで、じっと耐えている彼女の表情が頭から離れない。

もう、あんな顔見ちゃったら気にせずに帰るなんて無理だよ……。
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