【完】るーむしぇあ。
「佐々木?」
うつむいて考え込む私を心配する和希くんの声が聞こえる。
ホントは何が1番いい方法か、私は知ってる。
私が今1番欲しいもの。
それを彼女も欲しいってわかってる。
もう一度、木下美波の方を見る。
そして、和希くんの方を見る。
「和希くん、木下さんのところに行ってあげて?」
どんな特別な言葉もいらない。
好きな人がそばにいてくれるだけで、どれだけ心が軽くなるか私は知ってる。
「でも……」