【完】るーむしぇあ。
* * * * *
部屋のドアを開けて、ベッドにダイブする。
胸の奥がぎゅって締め付けられて、息が苦しい。
和希くんは私だけに優しいわけじゃないってわかってるつもりだった。
だけど……ホントは心配して欲しかった。
彼女じゃなくて私の方を。
私が自分の意志で"行ってあげて"って言ったのに、行かないで欲しかったなんて。
こんなにも矛盾してて、醜い気持ち。
和希くんが握ってくれた手のぬくもりも、今は痛いだけ。
それが自分だけのものじゃないって、あらためて認識させられたから。
今日彼が探していたのは……私?それとも……彼女?