【完】るーむしぇあ。




枕に顔をうずめて、コツコツと刻み続ける目覚まし時計の音をずっと聞いていた。

いつの間にか窓を打つポツポツという雨音が加わる。


雨……和希くん濡れてないかな。


今頃2人はどんな話をしているんだろ。

……胸がずきずきする。



ため息をついたところで、ガチャと鍵がはずれる音が聞こえた。


私は息を殺して、その気配に耳を澄ませる。



足音は私の部屋の前でピタリと止まって、しばらくの間、何の音も声もしなかった。



「……佐々木?」


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