【完】るーむしぇあ。
リビングで心配そうにしている和希くんに笑顔を向けると、少し安心したような表情を変わる。


質問されるのが嫌で、朝ごはんの間、私は色々と話をした。

珍しく一緒に登校した通学路でも、関係ないことを話し続けた。


ただ、コンクールとか木下美波とかいう単語を聞きたくなかった。



だけど、同じクラスにいる以上、姿を見ないことも声を聞かないで過ごすこともできない。

ましてや横の席に彼女はいるんだ。


彼女は何にもなかったかのように、今日も澄ました顔で隣にいる。



私はもやもやした気持ちを振り切るように必死でノートを取り、部活はテスト前の休みだけど自主練習をして、家で勉強して……

クタクタになるまでそれを数日間繰り返した。
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