【完】るーむしぇあ。
「ほら、こういう風に考えたらちょっとはマシじゃない?」
「うん!すごい!!」
本当にすごい。
さっきまで無機質だった数字の並びが、今は意味を持った音の並びに見える。
私が笑うと、彼は得意げに小さく、本当に小さく笑った。
それだけで私の心は温かくなる。
なんだか魔法みたいだなってぼんやり思った。
和希くんは私の何でもない日常に、少しの言葉で鮮やかな色をつけていく。
あなたに出会った日から、私の世界は好きなもので溢れているんだ。