【完】るーむしぇあ。

「ここ、どこ?」


「保健室。先生はさっきまでいたんだけど、今は俺が留守番」


和希くん……やっぱり優しいなぁ。

これが私だけの優しさだったら、どれだけ幸せなんだろう。


「佐々木」


「うん?」


「頑張ることと無理することは、全然違うから」


「……ごめんなさい」


心配かけたよね?

心配してくれたことは嬉しいけど、苦しい。


涙が出そうになって目を閉じると、無遠慮な睡魔がやってきた。

抵抗できないまま、私はまどろみの中に落ちて行く。
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