【完】るーむしぇあ。
「さっき、考えてたら気付いたんだ。佐々木って強くなんかないなって。
……俺、何回も泣き顔見てるのにな。いつも元気だから忘れちゃってたんだ」
──なんかそれってちょっと恥ずかしいな……。
「綾香の言った通り、言葉にすべきだったんだ」
──ううん、今、この言葉だけで十分だよ。
「ごめんな」
そっと遠慮がちに、温かい手が私の髪を梳く。
前髪に触れる。
私の意識はどんどん遠のく。
そして、温かくて柔らかい感触がおでこに触れたところで、また私の意識は途切れた。