【完】るーむしぇあ。
夢を見ていた。
和希くんがおでこにキスしてくれて、『おやすみ』って言ってくれる夢。
超幸せだけど、だけど……どうせ夢なら──
「唇が良かった!!」
「ちょ……陽菜……どんな寝言よ」
「え?」
ベッドサイドで呆れ顔をしていたのは美雪だった。
あれ?
和希くんがいたのって夢だっけ?
「陽菜?大丈夫?キョロキョロしてどうした?」
「和希くんは?」
夢と現実の境目が曖昧で不安になる。
彼が心配してくれたのは幻?
「ああ、あんたの王子様ね。さっきまでいたわ」