【完】るーむしぇあ。
"簡単にあきらめるなよ"って言われた気がした。

よりによってライバルに。


でもライバルだからこそ、1番私の気持ちを知っているのかもしれない。


肝試しの間、和希くんは私の傍にいてくれた。

そのとき彼女はどんな気持ちでいたんだろう。


私には分かる。その痛み。その切なさ。


だから彼女は私に言いたかったのかもしれない。


"勝負はこれからだ"って。



私はしっかりと彼女の目を見て答える。


「うん、もちろん!!」


「そうこないとね。静かな佐々木さんとか佐々木さんじゃないでしょ」


むっ……。
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