【完】るーむしぇあ。
* * * * *
「もう、陽菜のせいだからね」
散々騒いだ私たちは先生に怒られ、校舎の周りをぐるっと10周して来いなんて言われてしまった。
「ごめんって。でも葵(あおい)まで一緒に走らなくてよかったのに」
「だって、私も横にいたし。それに2人より3人の方が楽しいでしょ?」
そう言って微笑む葵も、同じクラスの友達で、私と美雪と葵は3人でいることがほとんどだ。
「陽菜はね、毎日毎日、『和希くん、和希くん』ってうるさいんだって」
美雪の言葉に私はちょっと膨れてみる。
だって好きな人はいつ見たってかっこいいんだから仕方ない。
そんなことをしてると、黙っていた葵が珍しく口を挟んだ。