【完】るーむしぇあ。
「わ・た・し?みたいな?!」
「佐々木、また声に出てるから」
ぬはっ!!またやってしまった!!
「かずくん?それに佐々木さん?」
下を向いていると目の前からよく知っている声が突然聞こえた。
「美波……」
それは木下美波だった。
出会った場所は私たちのマンションの前で、そのマンションに買い物を終えて2人で入ろうとしてるなんて……
予想外の状況に、和希くんも私も必死で言い訳を探して頭をフル回転させる。
だけどまったく思いつかないまま、重い沈黙の中で外灯が気まずそうにチカチカ揺れた。