【完】るーむしぇあ。
「でも、私は陽菜が羨ましいよ。好きってはっきり言えるところ」
いつも聞き役で、静かな葵がこんなこと言ったなんて初めてのことで、驚きのあまり美雪と私は顔を見合わせた。
「あ、葵……もしかして、恋?恋なの?」
「恋しちゃった?誰に誰に?」
右と左から葵を挟むように、質問攻めにする。
違うよーっと逃げる葵を追い回している間に、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
ナイスチャイム。
おかげで10周走らなくて済んだよ。
でも葵のことは気になる。
誰かを好きになったなら応援してあげたいもん。