【完】るーむしぇあ。



昼休み、私たちはいつものように中庭でお弁当を食べていた。

春の日差しは柔らかく、ここでこのまま寝てしまいたいという衝動に駆られる。


そんな穏やかな空気の中、美雪が突然「そういえば──」と話し始めた。


「陽菜の王子様、先週も告白されたらしいよ」


「ええ?!またぁ?OKなんてしてないんだよね?!」


慌てる私とは反対に、からあげを口に入れてゆっくりと食べている美雪。


「大丈夫、断ったらしい。その相手がさ、東条路先輩なんだって」


私は驚いて、食べかけていたご飯をポロっとこぼしてしまった。
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