【完】るーむしぇあ。
小さな待合室は静かすぎて、次にどういう言葉を言ったらいいのかわからない。


「えっと、じゃあ、私はこれで帰ります」


「あ、待って。せっかく来てくれたんだしジュースくらいおごる。何がいい?」


「あ、じゃあ、ミルクティーで」


何か勢いで答えちゃった……。

部屋を出て行く和希くんの背中を目で追って、呆然と立ち尽くす。


「和希、あのね……ってあれ?えっと、あなたは陽菜さんだったかしら?」


「……!!」


和希くんと入れ違いに部屋に入ってきたのは……和希くんのお母さんだった。
< 337 / 362 >

この作品をシェア

pagetop