【完】るーむしぇあ。

「……こんばんは」


混乱する頭で何とか挨拶だけは思い出した。

よく考えてみれば、お母さんとの遭遇は想定できたはずだよね。


「こんばんは。和希がどこに行ったか知ってる?」


「自動販売機にジュースを買いに行きました」


「そう」と言いながらお母さんは微笑んで、椅子に座った。


目……赤い。

泣いていたのかもしれない。


私、ここにいていいのかな。


「和希が陽菜さんを呼んだのかしら」


えっと、たしかにお昼は電話もらったけど、今は勝手に来たし、うーん……。
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