【完】るーむしぇあ。
私がどう説明しようかと悩んでいるとお母さんが笑った。


「別に怒ってるわけじゃないの。和希は陽菜さんを信頼してるんだなって思って」


「信頼、ですか?」


「ええ、あの子は自分の弱ってるところを見られるのが大嫌いなの。それを見せるってことは、すごく信頼してる証拠だわ」


私は彼の震えた手の感覚を思い出していた。

たしかに初めて見る表情だった。


だけど、それは誰でもよかったんじゃない?

その思いは消えない。


「あなたみたいな優しい女の子が和希の彼女でよかったわ」


「あの、それはちが──」


ガチャ


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