【完】るーむしぇあ。
「ごめん、ミルクティーなくてカフェオレ買ってきたけど……って母さんもいたの」
ドアが開く音がして、すごいタイミングで和希くんが戻ってきた。
「まあ、失礼ね。母さんがいたらダメなの?」
「そういう意味じゃないよ」
彼女じゃないですって言うタイミング、完全に逃した感じ……。
「佐々木、カフェオレでも大丈夫?」
「え、うん、大丈夫。ありがとう」
「よかった」
そう言って目の前で彼が微笑んだから、手渡された冷たい缶を握り締めて私は息を詰まらせた。
顔が熱くて、缶に触れた指は冷たくて、不思議な感じがする。