【完】るーむしぇあ。
その日は結局話しながら、時々綾香ちゃんの様子をうかがって、気付けば夜明けだった。


「陽菜さんごめんね。朝まで付き合わせてしまって」


「いえ、私も心配なのでここにいれて良かったです」


私の返答にお母さんは嬉しそうに微笑む。


「良かったらまた来てくれる?」


「もちろんです」


私も微笑んで返事をしてから、とりあえず家に戻ることにした。

外に出ると朝日が眩しくて、目の奥が痛い。



……目の奥だけじゃない。


胸の奥も痛みを感じたままだ。

結局私は、何も諦められていなくて、好きだとも伝えられてなくて……



──ホントにそれでいいの?

心の声がそう聞いていた。

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